葉酸とは

女性が妊娠を意識し始めると不思議と「葉酸」という言葉を耳にするようになると思います。それもそのはずで、葉酸は妊娠をする女性にはとても大切な栄養成分だからです。

 

ここでは、葉酸とはどういうものか、どうして大切なのかをお伝えします。

 

葉酸とは

 

葉酸は、1941年にホウレンソウの葉から発見された水溶性ビタミンでビタミンB群に属します。ビタミンB9と言われることもあります。

 

ヨーロッパなどでは1990年代から推奨されています。特にイギリス、アイルランド、ハンガリー、アメリカ、オーストラリア、キューバ、中国では、葉酸の効果について疫学的な証拠があり、世界的に認められています。日本では厚生労働省が、妊娠を希望する女性は葉酸を摂取するよう2000年に通知しました。

 

葉酸は水溶性ですので、過剰に摂取しても排泄されるため摂り過ぎが問題にならないと言われていますが、厚生労働省は1日の摂取量1000μgを超えないことを推奨しています。

 

葉酸が大切な栄養素である理由

 

最も大切な理由は、必要な時期に葉酸を必要量摂ることでママのお腹の中の赤ちゃんに二分脊椎(にぶんせきついしょう)や無脳症(むのうしょう)などの神経管閉鎖障害が発症するリスクを低減させるためです。

 

また、ビタミンB12と一緒に赤血球を作ることから「造血のビタミン」ともいわれています。同時に発育の良し悪しを左右するビタミンでもあります。
どういうことかと言いますと葉酸は人の体の代謝に関係していて、(中学生の時に習った→)DNAやRNAなどの核酸やたんぱく質の生合成に影響する、簡単に言えば体の発育に影響するという意味です。

 

葉酸は発育の良し悪しを左右するということで、赤ちゃんにとって重要な栄養成分です。もし、赤ちゃんがママのお腹の中で発育している時期に葉酸が足らなかったならば、赤ちゃんの発育が悪くなってしまう可能性が高くなるからです。

 

たとえば、大人が小学生や中学生に「きちんと成長するために好き嫌いをなくしてしっかり食事をしなさい」という場面を思い描けますか?

 

今、子供がいないからそんなこと言ったことがないという方でも、テレビや映画で見たことがあるか、ご自身が子供のころに言われた記憶があると思います。赤ちゃんの発育に葉酸が大切ということと小中学生にきちんとした食事が大切ということは、平たく言えば同じことなんですが、必要性の度合いが違います。

 

赤ちゃんがママのお腹にいるときの栄養(葉酸)の必要性は、小中学生の栄養の必要性と比べて何倍も重要です。だってママのお腹にいるときの赤ちゃんの場合は、頭や手足、内臓などいろいろな器官を作る時期ですので、絶対に失敗は許されない時期ですから。

 

まず赤ちゃんが生まれた後、体のそれぞれの部位が正しく機能するために葉酸は大切な栄養成分だということを覚えてください。目は何かを見ることができる目、鼻は匂いを嗅ぐことができる鼻、胃は食べたものを消化できる胃・・・など等、とても言い尽くせませんが、わが子の口でも手足でも内臓でもどれ1つとっても正常に動いてほしいですよね。

 

葉酸の種類

 

さて、葉酸の基本はポリグルタミン酸型で、他にそれが変換されたモノグルタミン酸型があり、葉酸とはこれらの総称です。

 

葉酸は、食品の中ではほとんどがポリグルタミン酸型ですが、調理や消化によってモノグルタミン酸型に変換されて小腸から吸収されます。小腸から吸収された後に細胞に入ると、細胞内では再びポリグルタミン酸型となって補酵素として働きます。

 

2つの型の大きな違いとしては、おなかの中(小腸)での吸収率の違いです。ポリグルタミン酸型では50%程度しかなく、モノグルタミン酸型であれば85%もあります。

 

ということで、もう1つ覚えておいてほしいのは、葉酸は型によって吸収率が違うという点。摂るならば、断然モノグルタミン酸型が良いということです。

 

まとめ

 

まとめますと

  • 出産後の赤ちゃんの器官が正しく機能するために葉酸は大切な栄養成分
  • 体内での吸収率はポリグルタミン酸型よりモノグルタミン酸型の葉酸が良い

です。

POINT

葉酸の摂り方などについて、どんな食品にどれくらい含まれているのか、そしてその食品をどのように食べればいいのかなどは>>葉酸が摂れる食べ物で説明しています。

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